平和的宇宙開発機関であるISDAは兵器の開発・運用をしていない。
しかし、現実にテロの脅威が存在するのもまた事実。そこで、テロ対策警備はジルアード新首長国に委任されているわけだが、今回はジルアード軍の士官であるガーネット・マクレーン少佐への取材を試みた。軍人として優秀なだけでなく、類まれなる美貌の持ち主としても名高い少佐の貴重なインタビューを、ぜひお読みいただきたい。

——ISDAのテロ対策警備という任務について、少佐はどのようにお考えですか?

「いきなりくだらん質問だな。我々軍人は命令に従って行動しているだけだ。大方、『人類のための研究をしているISDAを守れることに誇りを感じている』といった返答を期待しているのだろうが、私としては個人的な感傷は全くないよ」

——そ、そうですか……。
では、ジルアード軍としては、ISDAの警備をされるようになった経緯はどのようなものだったのでしょうか?

「もともと我が国は早くから宇宙開発に着手しており、月資源の採掘権の獲得、火星開発への優先着手といった面で財源を獲得しているわけだが、その過程でISDAとも協力関係を築き上げてきたことが大きな理由だな。その程度の歴史は貴様が使っていた教科書にも載っていたんじゃないか?」

——はあ、確かに授業で習ったような記憶があります。

「つまり、我がジルアード軍とISDAとは極めて友好的な関係にあるのだよ。いつ何時であっても、有事の際には逸早く駆けつけて守り抜いてやるから、貴様らは枕を高くしてゆっくりと眠るがいい」

——勿体ないお言葉です。ところで、少佐がお持ちになっている日本刀はジルアード軍で使用されているものなのでしょうか?

「貴様は馬鹿か? 日本刀は日本特有のものに決まっているだろうが。以前に日本を訪れた時に手にとった日本刀の美しさと鍛え上げられた強さが気に入って、それ以来こうして持ち歩いているのだ。……まあ、これだけ素晴らしいものを作れる国にあるISDAならば、我々が守ってやるだけの価値は確かにあるのかもしれないな」


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