「小砂(小泉太湖)」役の斎藤千和さんにインタビュー

――「小砂」というキャラクターの感想を教えてください。
小砂はストーリーが進むにしたがって、変わっていくキャラクターだと思います。
灌太に毒されたり、自分なりに色々考えるようになったり、とても変化のあるキャラクターだという印象がありました。
他のキャラクターは、そんなに変わらないですよね。
潅太も純子もキャラクターとして完成しているし、みんな一貫したポリシーをもって行動している中で、小砂だけはいろいろな人に憧れてフワフワするキャラクターなので、演じていてとても楽しい役です。


――アフレコ収録時に注意してることはありますか?
アフレコに行く前は、シナリオをあまり深く読み込まないようにしています。
原作はもう全部読んでいるので、基本的なストーリーで知っておかなければならないことは頭に入れてあるんですよ。
ですので、事前にキッチリと演じ方を決めないで、収録現場での他の出演者の皆さんの雰囲気にあえて流されて、小砂を演じようとしています。



――アフレコで苦労した点はありますか?
アフレコで一番困っているのは、「斎藤さん、そこをもうちょっと面白く」ってよく言われる点ですね。
漠然とそれだけの指示なので、「やれるもんならやってみろ!」って感じです(笑)。
でも、そう言われたときは、「うわー、また言われたー」って頭を抱えながらも、「これはどうかな?」、「こうしたらどうかな?」って感じで、自分の中で色々なイメージを浮かべながら演じています。
また、第7話の「師匠と、弟子」の回では、「私の明日の仕事のことをまるで考えてくれていない…」って思うくらい何回も叫ばされました。
「私、ノドがよくもったなあ」と思うくらい絶叫しました(笑)。



――印象に残っているストーリーはありますか?
小砂のセリフがとても多く、私がずっとセリフを喋ってた話数があったんですけれど、その時は「主役を演じている千尋さんってすごいなあ」と思いました。
毎回、こんなに一杯喋ってたんだと驚きました。
砂ぼうずはすごくテンポが速いんですよ、しかも「面白くしてください」って言われるし(笑)。
ですので、その時の話が一番印象に残っています。 また、「小砂とフルオート」の回も印象深いです。
小砂が明らかに自分自身で考えるようになってきた、成長した話だったなあ、と思います。



――次回予告が面白いですよね。
次回予告はまるで「世界早口選手権」みたいな感じで、明らかに15秒では入らない量のセリフを言わなくてはならないんですよ。
「ワタシのしもべ〜」といったような、他のアニメのパロディなんかも入ってますよね。
あのセリフは私のアドリブだと思っている方もいるみたいですけど、あくまでスタッフの指示です。
私は「このセリフ言って大丈夫ですか?」って言ったんですよ 。
その辺は強調しておきたいですね(笑)。



――砂ぼうずの魅力を教えてください。
「砂ぼうず」は、主人公をはじめ、登場人物が人間の汚い部分を一杯出しているのに、それがイヤとは感じない、嫌悪感がないストーリーですよね。
これは、お話の面白さももちろんあるけれど、キャラクターが魅力的だという点もあるのではないかと思っています。



――ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
「砂ぼうず」にゲストで出演された声優さんも収録後に皆さん「このアニメ面白いね」って言われますし、最近アニメ見なくなった大人の方でも楽しめる作品だと思っています。
大人だからこそ理解できるような、「汚いけれど人間臭さがにじみ出ている」といった部分を楽しんで見てもらえたらと思っています。
また、DVD版ではテレビで放送できなかった、あんなセリフやこんなセリフを、大の大人が楽しく言っていますので、DVD版も楽しみにしてください!


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