マチダ壊滅! 絶望の24時間ドキュメント!

怪獣が出現した日、一体何が起こったのか。その日1日の動きを整理した。

怪獣A 怪獣B

17時47分 マチダ市内に怪獣2体が出現。目撃者によると「突然空間に現れた」という。両方とも昆虫のような外殻を持っていた。片方は2本足で立っていたようだが、テナガザルのように長い手も地面についていた(以下、怪獣A)。もう一方はカメムシのようだが、時折何本もの長い触手(触覚?)を伸ばしていたという(以下、怪獣B)。
17時50分頃 怪獣両方が、互いに近づくように移動開始。足下にあった建造物が破壊される。
17時55分頃 2体の怪獣が格闘を開始。怪獣Bが触手を伸ばして怪獣Aをとらえようとする。
怪獣Aは転倒し、大量の建造物が下敷きに。市庁舎と連絡を取っていたマチダ警察署の交信途絶。
18時00分前後 市内の各所より「建物が倒壊」「火災が発生」「人が生き埋めに」という報告が殺到。
鉄道横浜線、小田原線、江ノ島線が全面停止。横田基地、訓練の名目で偵察機及び戦闘機を派遣決定。
18時01分頃 怪獣Aが逆に怪獣Bを引っぱる。怪獣Bが宙を舞って町に激突。
この時点で、町に多数の火災も発生していた模様。
18時06分 首相に第一報。
18時07分頃 起き上がった怪獣Aが、倒れた怪獣Bを何度も腕で突き刺し始める。
18時10分頃 横田基地を出撃した国防軍機が現地に到着。だが内閣総理大臣からの命令が出ていないため攻撃できない。
18時13分頃 怪獣Aの下で暴れていた怪獣Bが活動停止。
18時15分前後 消防、警察のヘリが市内より煙が上がっているのを目撃。
「原爆で更地にされたように、怪物の跡が残っている」
18時15分 東京都知事より陸防軍および空防軍に災害出動要請。
18時16分 首相、緊急閣議招集を指示。
18時17分 怪獣Bが消滅。怪獣Aはその横に座り込む。
18時20分頃 座間駐屯地よりマチダ市役所へ連絡部隊出発。
18時27分 怪獣Aが消滅
18時25分 首相、各国防軍に治安出動を命令。
18時28分 官房長官、会見で怪獣の出現と消滅、マチダに甚大な被害が出たこと、国防軍の出動を発表。
18時30分 立川駐屯地の陸防軍ヘリコプターが現地到着、怪獣の消滅を確認。「死傷者は1000人以上」と報告。
18時35分 神奈川県知事、警察及び消防に、マチダ市救援のための完全な協力を指示。
18時50分 東京都機動部隊がマチダ入り。
19時00分頃 複数の民間企業が、食べ物などの支援物資をマチダに送ることを発表
19時30分 非常対策本部設置。立川広域防災基地を本部とする旨が発表される。
防衛大臣、怪獣の再出現に備え、国防軍各基地に治安出動待機を命令。
20時00分頃 世界各国が、犠牲者への哀悼の意と支援活動の用意を伝える声明を発表し始める。
20時30分 消防本部、道路の寸断と断水で十分な消火活動ができていないと発表。
22時00分頃 座間駐屯地より陸防軍が本格的な出動。出動の遅れは「災害出動になるのか、治安出動になるのか」
「怪獣は再び現れるのか」「対怪獣用武器を装備すべきか」で混乱したためだという。
22時40分 渋滞に阻まれつつも座間駐屯地の陸防部隊が現地到着、救援活動を開始。
23時00分 恩田川、境川、鶴見川の各橋などで交通規制実施。マチダへの救援車両以外の流入を禁止。
さらに同空域を航空法に基づく飛行制限区域として、民間機進入を禁止。報道各社がこれに猛抗議。
   
00時00分 防の補給艦が救援物資を搭載して呉を出港。
00時20分頃 「マチダに再び怪獣が現れた」というデマが流れ、避難所となっていたマチダ小学校の体育館出口に人が殺到、将棋倒しとなって3名が軽傷。
01時00分 非常対策本部で記者発表。「被害者は3000名を超えると思われる」「どこに生存者がいるかわからず、重機が使えない」「犬や音響探査機など、生存者捜索のための物資を全国より集めている」
01時20分 マチダ病院の担当者が電話インタビューに答える。「輸血提供希望者が多く集まってきてくれているが、運び込まれる負傷者の数が想像以上に少ない」「地震では小規模な建物の損傷による負傷者が多発するが、今回は瞬時に圧死した人間が大多数なのではないか」
02時00分 練馬駐屯地より陸防軍の災害派遣応援部隊がマチダ到着。
02時20分 首相記者会見。「死傷者は4000名以上」「怪獣の正体は不明」「怪獣は完全に消えた。現在、軍が日本全域で警戒捜索中」「被災者の救出に全力を挙げる」「わけがわからないことだらけ」
03時15分 消防による救助活動中に爆発。漏れていたガスに、救助用機材の火花が引火したものと思われる。
消防員2名重傷。
06時40分 内閣衛星情報センター、情報収集衛星による被災地の可視光写真を一般公開。「情報収集衛星にはレーダー衛星があり、夜間での撮影も可能なはず。その写真の公開はないのか」という指摘については「防衛機密にあたるため公開できない。得られた情報については関係機関に渡している」と回答。
07時00分 東京大学生物学教授をはじめとするチームが現地入り、怪獣の痕跡を調査開始。
08時30分 国土交通省長官が現地を空中視察。この対応の遅さをマスコミが批判。
後に長官は「夜が明け、ヘリコプターの飛行準備が整うため待たなければならなかった」と釈明」
09時00分 厚木基地を救援物資の一時集積場として、各地の基地より物資と部隊を集結させることを発表。
12時00分 中国政府「怪獣捜索のためとはいえ、過度の軍事行動は周辺諸国に緊張をもたらす」として自粛要請を発表。
14時00分 先の中国政府の発言を受けて、一部の国会議員が国防軍の動きと政府の対応を批判。
16時00分 この時点で、「魚群探知機に巨大な、怪獣のようなものがうつった」という漁船からの報告など、
怪獣発見のデマ13件。
17時00分 対策本部長会見「阪神・淡路大震災以来の被害」「犠牲者は5000名を超える」

 怪獣が暴れたのはたった30分程度。その間に5000名もの人々が失われた。前回と異なり、人口密集地に突然怪獣が現れたことが大きな被害の原因となった。
 また、国防軍に事前に武器使用許可が与えられていなかったことが、手をこまねいたまま怪物を見ているしかない状況になってしまったのである。