怪獣はロボットだ!?　その全貌を探る!!

　これまで何度もお伝えしてきた、怪獣同士の戦闘による大災害。ついにはシナガワの町で起きた白い怪獣の転倒により、数千人単位での犠牲者が出る事態にまで発展した。この後、黒い怪獣が勝利し、双方ともに姿を消すという、以前の戦いと同様の結末を迎えたことは、実際に目撃された方も多いと思う。ここでひとつ、不審な点に気づかなかっただろうか？　これまでならば、敵怪獣の消滅とほぼ同時にいなくなっていた黒い怪獣が、今回は何かを待っているように、しばらくその場にたたずんでいたのだ。もしや、黒い怪獣による人類への攻撃が始まるのか？　と、近隣の住民たちは恐れおののいていたに違いない。

その不安と恐怖は、ある意味では杞憂であり、ある意味では的を射てもいた。……まるで謎かけのような、もったいぶった書き方をしてしまって申し訳ない。結論を述べると、あの怪獣は国防軍が開発した巨大ロボットであるとの考えに、本誌「ＯＲＥＲＡ」は至ったのである。


　あの怪獣どもが、地球上の生物、ないしは機械だとは考えにくいというのは、前号でも触れたとおり。しかし、宇宙から来た存在だとしても、今回の戦闘終了後の様子を見て、腑に落ちない点がひとつあった。これは、とある事情通が偶然に目撃した出来事なのだが、国防軍のヘリが黒い怪獣の周りを旋回し、やがて近くの中学校の屋上に着陸。中から現れた数名の軍人が、怪獣を見て何やら議論しているような様子が見て取れたという。まるで、作戦終了後にその成果を確認していたかのようにも見えるではないか！　もちろん、矛盾点がないわけではない。

　黒い怪獣――いや、ロボットは、とても軍の作戦で動いているとは思えない、出鱈目な戦いをしていたし、何よりあれが国防軍のものだとしたら、我々の血税で作り上げられたものが我々の安全を脅かすという、どうにも許しがたい話になってくる。黒いロボットは決してＴＶの子供番組に出てくるようなヒーローではない。敵怪獣――あちらさんもロボットの可能性があるが――黒いロボットを破壊するために我が国に上陸している可能性も十分にあるのである。政府がいまだに怪獣災害の対策に手をこまねいているのも、黒いロボットの開発を隠蔽するのに必死だからではないだろうか？

　考えれば考えるほど、黒いロボットへの怒りと憎しみが込み上げてくる。「ＯＲＥＲＡ」は今後も黒いロボットの正体へと迫り、政府がひた隠しにする真実を突き止め、断固糾弾することをここに宣言する！