前田: |
そうですね。僕がだんだん忙しくなってきたときに、松原くんと道でバッタリと会ったんです。売れっ子だから難しいだろうと思いつつ頼んだんですが、話したら引き受けてくれるということで。 |
松原: |
それがプロモーションとして流れてるパイロット版だったんです。最初は原画の話かと思ったら、作監(作画監督)をやって欲しいということで。キャラデザインもその流れです。僕はずっとかわいらしい女の子ばかり描いてきたものですから、今回はちょっと違うものが描けるかなと期待しつつ参加しました。
シリーズにするにあたって、最初は芝居のできるアップの設定を作らなければと、メインキャラの表情集から作り始めました。でも、パイロットのころとは作品の傾向がずいぶん変わって来まして……。最初はもっと奇抜なキャラだったんです。 |
前田: |
確かに超能力少女がいたり、もっとアクションがあったり、言ってみれば少しSF的なものだったんですよね。それがだんだんと原作のようにドラマ寄りになってきまして。 |
松原: |
伯爵ももう少しエキセントリックな人だったので、そういう表情ばかり設定していたら、使えないものも出てしまいましたね(笑)。そのころはキャラの人数も少なかったんですが、だんだん多くなってくると僕なりに描き分けなければいけなくなって、真宏さんの当初のキャラ原案からとは違う方向性のものを描くようになりました。 |
前田: |
僕的にはシルエットを工夫して描き分けようとは思ってたんですけど……。 |
松原: |
僕は逆にシルエットを先に考えないようにしましたね。今回、テクスチャーがキャラの区別になる部分があるので、なにか決め込んだディテールをつけてしまうと、かえってそれが余計になることがあるんです。たとえば襟を二重に描くと、テクスチャーで処理した後にジャマになってしまうんですね。単純なら単純のほうがいいなと思ってます。 |